生モノ以外も要注意。妊婦によくない食べ物

妊娠中に妊婦さんの食事で注意したいことは、普通の大人が食べたり飲んだりしても大丈夫なものでも、妊婦さんの場合は、胎盤を通しておなかの赤ちゃんに届くことで、赤ちゃんの成長や発達に影響を及ぼす可能性があることです。

完全に避けた方がよいものと、一定量を超えて食べすぎない方がよいものがあります。
妊婦さん自身の好物で「食べたい」「飲みたい」と思うことがあるかもしれませんが、妊娠中(授乳中を含む場合も)は、人生の中で限られたとても大切な期間。おなかの赤ちゃんの健康を第一に考えて、食品や飲み物を選んでいきましょう。

妊娠中に控えた方がいいと言われているものを食べた翌日に妊娠が発覚したという方も少なくありません。赤ちゃんに悪い影響を起こしたらどうしようと不安になりますよね。
赤ちゃんがママから栄養をもらうのは胎盤が完成する妊娠5か月(妊娠16週)位から。
それまでは、卵黄のうという器官から栄養を補っているので、心配しなくても大丈夫。
一部の食べ物を除いて、胎盤が完成するまでは妊婦さんの食事が赤ちゃんに影響することは少ないでしょう。

避けた方がよいもの

【アルコール】
胎児の成長や発達に影響を与える可能性があるため、妊娠中の飲酒はNG。
赤ちゃんがアルコールを摂取してしまうと、胎児性アルコール症候群や発達遅延、中枢神経障害、先天性疾患を発症する可能性が高くなります。
また、妊娠2週目までに過度なアルコール摂取があると自然流産の確率が上がるという研究結果も出ています。
妊娠が分かった時点で禁酒し、授乳が終わるまではアルコールの摂取は控えましょう。

【食中毒を引き起こしやすい食べ物】
食中毒の危険性がある生の食べ物はNG。
妊娠中は服用できる薬も限られている上、下痢や嘔吐で脱水症状になった場合に子宮収縮を起こす危険性もあります。
・刺身(生魚):腸炎ビブリオ菌
・生の二枚貝:ノロウイルス
・生の鶏肉や卵の殻:サルモネラ菌  など
食べる際は、十分に火を通しましょう。

【リステリア菌を含んでいる可能性のある食べ物】
食中毒を引き起こす細菌の一種である、リステリア菌を含む食品はNG。
妊婦さんは健康な成人と比べると、リステリア症になるリスクが20倍あります。
・ナチュラルチーズ(非加熱のチーズ)
※ピザなど加熱する調理法ならOK
※プロセスチーズは加熱処理されているので食べても大丈夫
・生ハム、スモークサーモンなど(しっかりと加熱されていない肉や加工品)など

【トキソプラズマを含んでいる可能性のある食べ物】
生の肉類などに見られる寄生虫トキソプラズマを含む食品はNG。
妊婦さんがトキソプラズマに感染すると、胎盤を経由して赤ちゃんにも感染し、先天性トキソプラズマ症になってしまう可能性があります。
先天性トキソプラズマ症は、未熟児、子宮内胎児発育不全、黄疸、肝脾腫、心筋炎、肺炎などを引き起こす怖い病気です。
・生ユッケ
・レアステーキ
・生ハムやサラミ  など
食べる際は、しっかりと火を通しましょう。

摂取量に気をつけた方がいいもの

【カフェイン】
カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、栄養ドリンクなどに含まれています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

摂取上限量:300mg / 日

【水銀を含む食べ物】
海の中の微生物や魚に含まれる有害なメチル水銀。少量なら問題はありませんが、大型の魚類の中にはおなかの赤ちゃんに影響を与える量のメチル水銀を含むものもいます。
妊娠中に必要な栄養分も多く含む魚類ですが、大量に食べてしまうと、赤ちゃんの中枢神経の発達に影響を与える場合も。
下記以外の魚(サケ、アジ、サバ等)は安心して積極的にとりいれましょう。

摂取上限量:体重1kgあたり2.0μg / 週

厚生労働省が定めている基準
・1回80gを週2回まで
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ
・1回80gを週1回まで
キンメダイ、ツチクジラ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、エッチュウバイガイ、マッコウクジラ
※80gは切り身一切れぐらいの大きさ

【ヨウ素を含む食べ物】
甲状腺ホルモンの主原料となるヨウ素は必要不可欠な成分ですが、過剰に摂取すると赤ちゃんの甲状腺機能が低下してしまうと言われています。
海藻類に多く含まれているものの、直接食べるようなわかめや焼きのりに含まれる量は、摂取推奨量を大幅に超えるようなものではありません。通常の食べ方で大丈夫。
注意が必要なのは、昆布です。日本人は出汁などで昆布を日ごろから多く摂取しているため、毎日食べることは避けましょう。昆布だしを常用している人は、カツオや煮干しのだしで代替するなど工夫しましょう。

推奨量:240μg / 日
摂取上限量:2,000μg / 日

昆布:5cm角の昆布を500mlの水でだしをとり、味噌汁一杯分の150mlが1日の目安。
わかめ:水戻しわかめ12g程

【ヒ素を含む食べ物】
人体に有害な無機ヒ素。健康な大人でも過剰に摂取すると中毒症を起こしてしまう他、赤ちゃんには奇形や脳障害を起こす危険性もあります。
無機ヒ素が多く含まれる食べ物として注意したいのがひじきです。カロリーが低く、鉄分やミネラル、食物繊維などを豊富に含み、妊婦さんにいい面もある食材ですが、食べすぎると悪影響を受けてしまうことも。
ですが、乾燥ひじきをそのまま食べたりしない限り過剰な心配は必要ありません。
水に戻したり、煮たりと調理の過程で多くの無機ヒ素が流出していくので、戻し汁や煮汁などは捨てるようにすれば問題ないでしょう。

摂取上限量:体重50kgの場合107μg / 日

乾燥ひじき5g(煮物で小鉢1杯程度)を週2回まで

【ビタミンAを含む食べ物】
人間にとって必要な栄養素であるビタミンAですが、妊娠初期の過剰摂取は、赤ちゃんの形態異常を引き起こすリスクが高まります。
ビタミンAを多く含む、レバー・うなぎには注意が必要です。大量に毎日食べるものではありませんが、続けて多く食べないように気をつけましょう。
ビタミンAの中でも野菜などに含まれる植物性のビタミンA(βカロテン)は問題ないので、ビタミンAを制限しすぎるのではなく、植物性ビタミンAを積極的に取り入れるようにしましょう。

摂取上限量:650~700μg / 日

レバーは串焼きを週に1本、うなぎは蒲焼きを週に1回まで

 

 

こちらの記事は母乳ジュエリーを制作・販売している"Solid Love"が執筆しています。
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