妊娠中の"生モノNG"はなぜ?絶対ダメ?

「妊娠中だからお寿司が食べられない!」
という声はよく妊婦さんから聞く悩みです。

普段あまり気にしていないものや特別好きというわけではないものも「禁止!!」と言われると食べたくなるのが人間の性ですよね。

今回は妊娠中の生モノを控えるべきとされている理由と絶対に食べてはいけないのかについて解説します。

 

生モノを控えるべき理由

まず一つ目の理由は「食中毒の危険性」です。

加熱調理されていない魚や肉は食中毒のリスクがつきものです。
妊娠中に食中毒にかかって下痢を起こしてしまった場合、子宮収縮を併発することがあります。これは早産や流産に繋がることもあり、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても命の危険にまで及ぶ可能性があるのです。

 普段お腹が弱い方は特に注意したいですね。

 

次に二つ目の理由は「アニサキス」です。

アニサキスはイカやサバなどの魚類の多くに潜む寄生虫。
食べてしまうと激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。アニサキスによる胎児への直接の影響があったり、妊婦さんが特にあたりやすかったりするわけではありませんが、母体の下痢や脱水は胎児に悪影響となります。

 

そして三つ目の理由は「水銀」です。

魚の中にはマグロ、キンメダイ、カジキ、クジラなど水銀を多く含むものがあります。
胎児が水銀を摂取してしまった場合、神経発達に悪影響を及ぼすと言われています。
魚=生モノがNGというイメージがありますが、水銀は加熱調理では減らせないため水銀への配慮も必要です。

水銀については厚生労働省から妊婦さん向けのわかりやすいパンフレットが公開されています。
1週間あたりの目安量など詳細はぜひパンフレットを確認してみてくださいね。

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf

 

結局、絶対食べちゃいけないの?

生モノ自体を食べることのリスクは主に食中毒であると説明いたしました。

ただし妊娠中は消化機能の低下状態にあるので肉や魚などのたんぱく質を消化しにくく、普段は大丈夫なお刺身などで消化不良を引き起こすこともあります。

 生モノを食べること自体が胎児への悪影響に直結することはないので絶対にダメ!というわけではありません。ただし予測できない下痢や食中毒が命の危険を及ぼすことを考えると加熱調理を基本とするなど可能な限りのリスクは避けることが賢明です。

 

現在ではこんにゃくを原料とした「刺身モドキ」や「寿司モドキ」が開発されています。

どうしても食べたい!という方は代替品を探してみるといいかもしれませんね。

 

授乳中の生モノは?

ちなみに授乳中の生モノは問題ないとされています。
むしろたんぱく質や鉄を多く含むお刺身は授乳中のお母さんにはオススメ!

ただし授乳はお母さんにしかできない仕事。
食中毒で体調を壊してしまって授乳ができない、となってしまっては本末転倒です。

健康維持はお母さん自身のためにもお子様のためにも心掛けていきたいですね。